僧侶として人々の苦しみに寄り添う

法要や供養を行い、人々から尊敬される僧侶。時代に合わせてニーズは変わっていますが、古くから人々の苦しみや悲しみに寄り添う姿勢は変わりません。転職後の職業の選択肢として僧侶の仕事もあります。

僧侶になるには実家がお寺であれば一般的には「得度」といい仏門に入ることを許可されて宗門大学や僧侶の専門学校へ入学します。そこで仏教を学び、深い知識と理解を深めます。その後は各宗派によって決められている修行を行うことが条件です。修行は2年ほどで、見習い期間中は朝3時や4時に起床して寺院の清掃やお経の練習をします。日中は寺務のサポートをしながら僧侶の技術や仏教史を学びます。見習い期間中は携帯電話の所持が禁止され、自由に外出できないなどの制約があります。厳しい修行を経てようやく一人前の僧侶として認められます。僧侶として働く先には、住職になる道があります。住職には親から引き継ぐ形と空き寺に配置され住職になるケースがあります。

僧侶もキャリアアップはあります。僧侶の場合は「僧階」という階級があります。階級はその宗派によって違います。法要回数や住職としての年数で衣の色が変わりますが、位が上がったからといって昇給するものではありません。しかし、位の色は僧侶としての信用の証なので高ければ高いほど人々や他の僧侶からも信仰されます。

僧侶は実家が寺院の人以外は僧侶になれないイメージがありますが社会人からの転職で僧侶になることも可能です。近年では社会人でも可能なように長期の修行以外にも数週間の修行を数回行うことで対応してくれる場合もあります。僧侶になりたいと考える方はまずは尊敬できる僧侶「師僧」を探して弟子にしてもらうことが必要です。宗門学校の入学書類にも師僧の記入欄があるぐらいなので、大事なことです。近年僧侶のニーズとしてはこれまでの法要などの仕事以外にも人々の悲しみに寄り添うことが求められています。そのため研修会でもカウンセリングや大切な人を亡くし悲しみに襲われている人を支える「グリーフケア」が取り入れられています。社会人として経験してきた悩みや苦しみ、これまでの生活も活かすことが出来ます。人々の苦しみに寄り添うときには経験してきた分、説得力が増します。さまざまな方が僧侶を目指せる体制が整っています。