急に体調が悪くなったときや怪我をしたときに救急車に乗った経験がある人もいるでしょう。そのときに処置をする人は救急救命士という仕事で、人々の命を救うために全力を尽くす仕事です。
救命救急士の資格は国家資格です。傷病者の搬送や応急処置に特化している資格で、毎年約2500人が受験して合格率は例年8割以上です。受験するためには、救急救命士養成校で2年以上の学習や研修を行うのが条件です。また、消防官採用試験に合格しないと救急救命士にはなれません。
救急救命士になるには、大きく分けて二つの方法があります。一つは2年ほど救急救命士の養成学校で学び救急救命士の試験を受けて、資格を取得後消防官採用試験を受けて救急救命士として勤務する方法です。もう一つは消防官採用試験を受けて消防署に勤務しながら救急救命士の資格を取得する方法です。この場合はまず6ヶ月以上養成学校で救急業務に関する講習を受講します。5年以上または2000時間以上救急業務を経験し、救急救命士の試験を受けて合格後に晴れて救急救命士になることができます。なお、救急救命士の資格がなくても救急車に同乗することはできます。救急救命士はスキルアップを図ることの出来る仕事でもあります。消防学校で研修を積むことによって薬剤の投与など特別な医療行為が出来るようになります。最近では有資格者を優先的に採用しているところもあるので、募集時に条件を確認しましょう。
救急救命士の処置の範囲は限られています。それを特定行為といいます。救急救命士法では①静脈路の確保②医療器具を使用した気道確保③薬剤の投与が特定行為として定められております。医師の指示のもと、一部の機材や薬剤を用いた行為が出来る場合もあります。
救急救命士に向いている人の条件の一つとして、日々勉強を続けることが出来る人です。救急救命士の仕事は医療に対しての知識が問われるほか、装置の使い方を覚える必要があります。そのため、技術を磨いていくことが求められます。体力も必要です。救急の仕事は24時間体制で動いており、出動要請が出たらいつでも動けなければなりません。そのため体力勝負になります。救急救命士に対する想いと人の命を救いたいという気持ちのある人には非常にやりがいのある仕事です。